大切な歯を、歯周病から守りたい
「歯周病」という名前を耳にすること、多いのではないでしょうか。歯周病とは、プラーク(歯垢)に棲みつく歯周病菌が出す毒素によって、歯を支える顎の骨や歯ぐきが徐々に溶かされてしまう病気です。
「歯ぐきが腫れ、出血していて不安……」
「硬いものが噛みにくく、食事が楽しめない」
「口臭が気になって、人前に出るのが億劫」
このような症状でお悩みの方は、歯周病にかかっていることが考えられます。歯周病については、兵庫県明石市にある大久保駅からバス5分の「まつが歯科」までお気軽にご相談ください。悪化すれば歯を失うことになる歯周病から、大切な歯を守りましょう。
とても身近な歯周病
「歯周病」という名前を耳にしていながら、「私には関係ない」と思われていませんか? 実は厚生労働省が行った「平成23年歯科疾患実態調査」によると、日本人の30代の約8割が歯周病患者であるというデータが出ているのです。
【歯肉の所見の有無(5歳以上・永久歯)(歯周組織に所見ある場合を歯周病とする)】
このように歯周病は日本人の成人の間に蔓延している病気であり、決して他人事ではありません。また、ご年配の方の病気であるとお思いなら、それは誤った情報です。さらに歯周病は、日本人が歯を失う原因の第1位であることも別の調査でわかっています。
【歯の喪失の原因】
公益財団法人8020推進財団「永久歯の抜歯原因調査報告」(2005)
つまり歯周病は、虫歯以上に注意が必要な病気だといえます。歯ぐきの腫れや出血など、症状に気づきながら放置し続けるのは、とても危険なことです。あなたも、自分のお口を疑ってみることから始めましょう。
歯周病のセルフチェック
歯周病は初期に痛みがなく、なかなか自然には気づきにくい病気です。次のような症状が現れていないか、ご自分で改めてチェックしてみましょう。
朝起きたとき、口の中がネバネバする
ブラッシングすると出血する
歯ぐきが赤く腫れている
歯が長くなったような気がする
歯と歯の間にすき間ができた
食べ物がはさまりやすくなった
硬いものが噛みにくい
歯ぐきがむずがゆい、痛い
口臭が気になる
この中に思い当たる症状がある場合には、歯周病にかかっていることが考えられます。歯周病は初期に治療できれば短期間で処置を終えられますので、お早めにご相談ください。
歯周病の進行
歯周病は初期のものを歯肉炎、それ以降のものを歯周炎と呼びます。
健康な状態 | 歯ぐきは健康的なピンク色で引きしまっており、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)もなく歯にぴったりと密着しています。 |
歯肉炎 | 歯周ポケットができ始め、歯周病菌が出す毒素によって歯ぐきは炎症を起こして赤く腫れています。まだ痛みはありませんが、ブラッシングすると血が出ることがあります。 |
軽度歯周炎 | 歯ぐきの炎症が増して腫れもひどくなっています。歯周ポケットは深くなり、歯を支えている顎の骨も溶かされ始めています。この段階でも、まだ痛みはありません。 |
中度歯周炎 | 歯ぐきの炎症がさらに悪化して、歯周ポケットも深さを増します。顎の骨は半分程度溶かされて歯がグラグラし始め、硬いものが噛みにくくなります。歯ぐきからは出血に加えて膿が出ることもあります。 |
重度歯周炎 | 顎の骨はほとんど溶けてしまい、歯は大きくグラグラして食事のときにも痛みが生じます。これをさらに放置すれば、歯は抜け落ちてしまいます。 |
【歯周病の全身疾患への影響】
歯周病の影響はお口の中に留まらず全身へも及び、次に挙げる複数の病気と深く関わっているといわれています。
心臓疾患 | 糖尿病 | 肺炎 |
---|---|---|
歯周病菌が血管に入り込むと血栓をつくり、動脈硬化症や大動脈瘤などを招くことがあります。 | 糖尿病患者の方は歯周病になりやすく、歯周病患者の方は糖尿病を招きやすいといわれています。 | 歯周病菌が誤嚥(ごえん:誤って飲み込むこと)によって肺に入り込むと、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。 |
骨粗しょう症 | 早産・低体重児出産 | バージャー病 |
骨粗しょう症患者の方は、顎の骨の吸収が早く、歯周病の進行が早いといわれています。 | 妊娠中に歯周病にかかると、歯周病菌が子宮の筋肉に影響して早産・低体重児出産を招きやすくなるといわれています。 | バージャー病とは、手足の末端の血管が詰まって炎症が起き、皮膚に痛み・潰瘍を招く病気です。歯周病にかかると血栓ができやすくなるため、バージャー病の原因になると考えられています。 |
このように歯周病は、全身に深刻な問題を招くことがわかっています。歯を守るためだけでなく、全身の健康を守るためにも、歯周病ときちんと向き合いましょう。
当院の歯周病治療
ルートプレーニング
スケーラーという器具を使って歯周ポケットの汚れを取り除く「スケーリング」を行った後に、取り切れなかった歯周ポケットの奥深くの汚れを、キュレットという器具を使って徹底的に取り除く処置です。 |
歯周ポケットそうは術
スケーリング、ルートプレーニングを行っても症状が改善しない場合に行う治療です。歯ぐきに麻酔を施した上で、歯周ポケットの奥にあるプラークや歯石、さらに感染した歯肉組織を除去します。 |
フラップ手術
麻酔を施した上で歯ぐきをめくり上げて歯根を露出させ、歯根の先についたプラークや歯石、感染した歯肉組織を取り除く外科的処置です。最後に歯ぐきを戻して縫合します。 |