シニアの大学院生活と成績

ところで、私のこのブログの中でどう言う投稿が、よくアクセスされ読まれているのかについての分析を時たま見る事がありますが、いつも『大学院1年目の成績』と言う会計研究科時代の報告記事が大抵ベストテンの中に入っている事に気づいた事があります。

(それ以外に、現在所属している経済学研究科大学院の1年目を終えた時点での成績報告もしています。)

ひょっとすると私の個人的なお付き合いのある方とは別の一般的な読者の方の中には、シニア・ライフでの大学院での学び方に興味を持たれ、その学業成績が気になられる方があるのかもしれません。

それで、現在学んでいる大学院の履修システムや学費、学業成績等についても報告をした方が良いのかもしれないと思いました。

まず私のシニアとしての大学院生活の経緯ですが、2018年の年初めに突然思い立ち、数週間の準備期間で兵庫県立大学の会計研究科『会計専門修士課程』を受験しました。幸い、開業医生活の30年間、医院会計に関し、確定申告の最終段階で専門家のアドバイスとチェックを受けるだけで、日々の会計処理は、悪戦苦闘しながら、ほぼ自力で帳簿付けをし、毎年の決算書作成までパソコンソフトで行っており、会計の基本的知識と実務は身についていたように思います。そのお陰か、筆記と口頭試問を何とかこなして合格する事ができ、会計専門修士課程への入学許可をもらいました。

そうそう、この受験手続きに大学の学務課に行った時、事務局の職員の方が大変親切で、大学院入試の過去問集が生協で売られているからと教えてもらいました。それを買って帰り、ザッと目を通したところ、中々難しい感じがし、これは来年度まで勉強をした上で受験した方がいいと思い、その事務職員の方と相談しました。その時、この職員の方から「一年待つより、ダメ元で今年も受験してみられては?」と強く背中を押してもらった事を思い出しました。赤松さんと言われたその職員さんはその後、別の職場に異動されたようですが、考えれば、私の大学院生活スタートを応援してもらった恩人だったと思います。

大学院入試は、激しい点数争いの大学入試とは異なり、専攻分野についての一般的知識を持っている事を前提にして、後は、その分野の研究を目指したいと言う強い熱意があれば、大学側はそれを認めて受け入れてもらえそうに思います。

ただ、大学院は、基本的に自分なりのテーマを持って、これをゼミ担当の教授など指導を頂きつつ研究を進めて行く所なので、受験前に自分が研究したいと考えている分野の先生とアポイントを取って、直接面談で相談しておく事が大事です。

(それにしても、大学院生活を志したあの年の春から、数えると5年目になる訳で、振り返ると感慨があります)

県立大学 正門

この会計専門修士課程2年間は、今改めて振り返ると結構厳しくタイトなスケジュールの学生生活でした。その当時、大学院生活についての基本的知識も無いままにスタートしたのですが、大学院の教育体制は大まかに言って、2種類あり、その一つの『専門修士課程大学院』と言うのは、一般的な研究者養成の大学院とは異なり、大学学部を出た後、さらに特定分野の専門的教育と訓練をする機関です。そのため、講義も実習も、卒業に必要な単位も50単位と多く、ほぼ毎日登校するペースで、一般的な大学院とは違い、学部教育の延長の5年、6年生と言う感じでした。学生もほとんどが学部4年を卒業したばかりの若い世代でした。

会計研究科時代のクラスメイトたち

私は、この会計専門修士課程を2年で修了し専門修士の学位を取得した後、さらに改めて経済学研究科の大学院に再入学し現在に至ります。現在の修士課程は、一般的な研究者養成課程の形で、卒業に必要な単位も30単位で、会計専門修士課程の50単位に比べると、かなりゆっくり取り組めます。ただし、その専門課程での基礎的講義の受講を基に、最終的に、修士論文をまとめる、と言う事が基本的目的です。したがって、講義の受講以外に、この論文作成が大きな目標になります。

特に、私が専攻した租税学専攻のゼミは、(入ってから分かったのですが💦)実質的に税理士養成コースのような形で、同級生は社会人がほとんどで、講義などはほぼ平日夜間と土曜日に集中しておりました。(ただし、最近、大学院の体制が大きく再編され、残念ながら本学では、このような社会人でも対応できるコースは無くなったようです。)

大学院博士課程・ゼミ風景

ところで、これは意外に知られていないかもしれませんが、大学院によって『長期履修制度』という制度があります。兵庫県立大学では、通常の在籍年数の倍までの期間、在籍して卒業出来る、という制度です。つまり、私が現在在籍している経済学部前期博士課程(いわゆる修士課程)は通常在籍年数は2年なのですが、その倍、つまり4年をかけて必要な単位を取得して卒業出来る制度です。しかも有り難い事に、4年在籍する場合は、年間の学費が通常の半分で済みます。(2年で卒業しても、4年で卒業しても、トータルの学費は変わらない訳です)

なお、参考までに、お伝えすると、(この長期履修制度での)半年分の学費は、約14万円ほどです。充実した手厚い講義やゼミに加え、一度に30冊まで借りられる図書館の利用、格安の学生食堂や生協の利用などを考えると、極めて有り難い学費です。

私の場合、特に急いで卒業する必要は全く無いので、この制度を知ってその申請をしました。

そして、昨年の前期に少し長期の海外滞在も検討していた事から、半年休学しました。つまり、現在、私は4年の在籍年限のうち2年半が経過し、後1年半で必要単位を取得すればいいことになります。(ただ、半年は切りが悪く、秋卒業にもなりますので、今年度1年で卒業したいと思っていますが)

さて、肝心のこれまでの成績ですが、このような事情で、時間的にも余裕を持って取り組めた事もあり、ある程度満足できる結果を残せたように思います。

成績のランクは、上からS(秀)、A(優)、B(良)、C(可)、D(不可)の5段階で、目標は大きく持って、SとAのみで揃える、というものにしていました。結果は、現時点で単位取得した10科目のうち、Bが1科目だけありましたが、他はSが4科目、Aが5科目と全てA以上の評価を頂き、A以上が90%という結果になりました。GPAの評価では、最高点が4に対して、3.3(22単位取得段階で)と言う事になり、米大学院の入学基準とされる3.0は上回っていることになります。当面、海外留学の計画はありません(笑)が、卒業まで後3科目8単位、頑張りたいと思っています。

なお、1年目の成績報告だけして、尻切れトンボになっていた最初の大学院である会計研究科時代の成績は、全部で23科目のうち、A+(=S)が9、Aが7、Bが5、Cが2でした。Cが2科目あったのが残念ですが、目標とするA以上は、(9+7)/23で、ほぼ70%でしたので、まずまずのところでしょうか。

投稿者:

matsuga_senior

《松賀正考》大阪大学外国語学部英語学科、歯学部卒業。明石市で松賀歯科開業。現シニア院長。 兵庫県立大学大学院会計研究科を卒業し会計専門修士。さらに同大大学院経済学研究科修士課程を卒業。その修士論文で国際公共経済学会の優秀論文賞を受賞。現在、博士課程在学中。