さて、ハーグでの3泊は知人の手厚いお世話もあり、極めて快適な文字通りの《観光ツアー》の2日間でした。そして、その日曜の午後から翌朝にかけては、いよいよスタートする一人旅に備えて十分な休息を取りました。翌朝のスタートも時間的に余裕を見て、うんと早い目にホテルを出て、いよいよ完全な一人旅として隣国ベルギーのブリュッセルに向かいました。
ホテルからデンハーグ中央駅までは徒歩15分位ですが、重いスーツケースを引きながらだと結構汗ばむほどでした。(ただ、これは帰国する直前の時点で分かった事ですが、実はホテルの直ぐ近くに路面電車の駅があり、それに乗れば中央駅まで2駅の数分で行けるのでした💦)
ハーグ中央駅からターミナル駅のロッテルダムまでは普通の快速電車で30分位。ヨーロッパでは、駅のアナウンスや標示も最低限しか無いので、危うく乗り過ごすところでしたが、なんとか下車。
次は、ブリュッセルまで国境を越える新幹線のようなタリスで1時間ほど。到着駅は、ブリュッセル南駅で、ホテルのある都心部の中央駅まで出ないといけません。ネットでは一駅4分のはずが、間違って地下鉄に乗ってしまい、何と途中の乗り換えを含む9駅もありました。最後に聞いた青年が丁寧に指示してくれたおかげで何とか中央駅にたどり着きましたが、結局、半時間以上はウロウロして、ホテルのチェックイン時間のメドが全くズレてしまいました。
でもこれは波瀾の序章に過ぎませんでした。
重いスーツケースを持って、上に行ったり下に行ったり、プラットホームを右往左往して、ようやく着いた『ブリュッセル中央駅』ですが、ベルギー国の首都の看板とも言うべき雰囲気がどうも感じられない。ちょっとしたターミナル駅程度の感じで、果たしてこれが本当の中央駅なのか、不安が胸をよぎります。(これも帰り道に気がついたのですが、その時私が出たのは、本来の駅舎正面ではなく、裏口的な出口でした)
それで、Googleマップでは、ホテルに行く途中に『小便少女像』と言う観光スポットらしきものがあったのを思い出し、そこを目指して行ってみる事にしました。
『小便小僧像』ならよく知っているが、『少女像』?と思ってGoogleマップを開くと確かに近くにあります。では、これで駅も間違っていないんだな、と思いつつ歩いて行きました。するとなんとその少女像は実在し、しかも、その前には、たくさんの観光客が群れており中にはその前で記念撮影されるご婦人も😳
しかし、きっとそんな不謹慎な像を見た祟りでしょうか、その後、ハラハラドキドキの悪夢のような時間を過ごす事になりました。
今回のホテルの変わった点は、フツーのホテルのような受付のフロントのようなものが一切無い事でした。だから、チェックインと言っても、いつ誰から鍵🔑が渡されるか、分からないのです。時間を決めて待ち合わせるのかと思っていましたが、チェックインの時間も4〜5時というようなアバウトな希望を伝えているだけです。その時間に遅れたら、どうすればいいのかも分かりません。
とにかく焦りながら何とか4時過ぎにネット予約に書かれていた住所を目指しました。そして、ようやく近くの細い街路から向こうを見ると、素晴らしく壮麗な建物が目に飛び込んで来ました😳
さらに進めば、本当に素晴らしい歴史的建造物に取り囲まれた広場に出ました。
えっ、こんな観光スポットのど真ん中のホテルなの?だったら素敵だけど、と思いつつ、住所にたどり着いたら、そこには何のホテルらしい建物もありません。ただ、もう休業中のようなひと気の無いオフィスのような建物があるだけです。
しかも、その前は観光客が溢れている名所です。ホントにここにホテルがあるの?なぜ、誰も人が居ないの?一気に不安が襲って来ました。
慌てて、ネット予約の連絡先とのメッセージ欄を見ると『デポジット(保証金)』が振り込まれていないので、受け付けが出来ません、とぶっきらぼうな連絡が入ってます。しかし宿泊料はカード払いしてるし、ホテルの実態が確認出来ないのに、その上45,000円とかのデポジットなんか払えないよ❗️と頭に血が昇って来ました😡
そこから、電話とメールで英語のケンカです😤😤
ホテル予約サイトで指定された住所に着いてみると、そのロケーションは信じられないほどの素晴らしい所ながら、その住所にはホテルらしき建物は無く、あるのは閉まったままでホコリが溜まっているような元オフィスのような建物しか無い。しかも、その前には、ホテル関係者らしき人影はまったく無く、その観光名所で忙しく動き回っているレストラン等のスタッフのみ。愕然として、その辺りに居る現地の人らしい方々に片っ端から声をかけましたが、誰もそんなホテルの事は知らないと言う。ガーン😨とショックを受けて、真っ先に思ったのは、これは名前だけを騙った詐欺サイトに引っかかったんではないか、という事。もしそうなら今夜から2夜、私は宿無しになる事になる、そんな思いが頭をよぎりました。
そんな不安を押し退けて、とにかく予約サイトを通して
「No one is there! I’ve come to the Hotel , but no one is there! There is no locker!」とクレームを入れました。それに対しては、
「Hi Matsuga, We don’t see the confirmation of security deposit paid by you. Please confirm the email ID with which you have made the deposit so that we may share the check-in instructions with you.」と相変わらず、デポジットが払われていない、との連絡しか来ない!
それで、頭に来た私は「I will pay the deposit at any time.But you must show the hotel is real❗️(私はいつでもデポジットを払うつもりだ。しかし、その前にそのホテルが実在する事を示しなさい。)」と送りました。
それに対して、最初は 「The deposit is required before the check-in as detailed in our earlier communication.」 と相変わらず同じデポジットの要求しか来ない。ついに私は思い余って「Isn’t this FRAUD⁉️(これは詐欺ではないのか⁉️)」と返しました。デポジットだけ要求している感じがしたからです。
その後、ようやく「Hi Matsuga, Thanks for your message. The address is Rue Chair et Pain, Bruxelles, Bruxelles 1000」と、改めて別の住所が送られて来ました。
慌てて、再度この住所にあるホテルを知らないか?と手当たり次第に聞きましたが、誰も不審げに知らないと答える。それでもう一度、この住所の位置をGoogleで調べると、先ほどのグランプラスの真ん前ではなく、ちいさな路地を入った所で、そこにはオフィスらしいけど、人が出入りしている建物がある。その人たちに声をかけようかどうか迷っていると、先ほど訊ねて不審そうに「分からないなぁ」と突き放されたおじさんが側に来ていて「さっきはゴメン、ここが確かホテルらしい所の玄関かもしれない」とそのオフィスの向かい側のレストランの間に隠れているようなひっそりした玄関を指差しました。見ると、玄関脇には押しボタンや小さいロッカーのような物も見えます。それで、ようやくちょっと希望が見えて来ました。
それで、急いでデポジットをネットでカード払いました。するとようやく、こんな長い返事がっ。
「Hello Matsuga, We look forward to welcoming you to Maison Grand Place soon! Below you will find all the important information for a comfortable arrival and stay. The exact address is Rue Chair & Pain 5, 1000 Brussels .
The apartment is located on the 1st floor and can be easily identified by the number 4 sign located outside the apartment.
Check-IN process:
For your convenience, we have implemented a self check-in system with a code:
– The Main door of the building is opened with a code: 627384
(use the small buttons on the black door entry keypad located to the left of the building’s entrance door).
(以下の詳細情報については次稿に)」
翻訳すると
「こんにちは、マツガさん!もうすぐメゾン・グラン・プレースにお迎えできるのを楽しみにしています。以下は、快適な到着と滞在のための重要な情報です。 正確な住所は、Rue Chair & Pain 5, 1000 Brussels 。
アパートは1階にあり、アパートの外にある4番の看板が目印です。
チェックイン方法
お客様の利便性を考え、暗証番号によるセルフチェックインシステムを導入しています。
– 建物のメインドアは暗証番号で開きます。627384
(建物入口ドアの左側にある黒いドアエントリーキーパッドの小さなボタンを使用します)」
とにかく、さっきおじさんがホテルの玄関かもと言う所が確かにこのホテルであり、指示通りに操作すると、まるで《開け、ゴマ》の呪文を唱えたようかのように、ガチャリとドアが開きました。その時の地獄から天国に昇ったような気持ちは、おそらく今回のツアー最高の感激の瞬間かと思いました、(これ以上な事件は起きて欲しくない、思わず祈る気持ちになりました。いや、しかし、パリではさらに大きな事件?が待ち構えていた事をその時は知る由もありませんでした。)
ここまでで既に大量の字数を費やしているので、以下は続編といたします💦