近況報告および歯科医師会での活動を振り返って

<地元の明石歯科医師会から寄稿を求められ、近況についての一文をまとめました。併せて私の歯科医師会活動を振り返りました。このブログにも投稿しておきます。>

 1982年、明石の地に開業して以来、気がつけば38年を経過し、今年、古希を迎える事になったのは我ながら信じられない思いです。さて、自分では、ほとんど自覚も意識も特別には無かったのですが、古希を迎えた今年、明歯会からご連絡を頂き、今年から特別会員となるという事で、互助会の懇親会にお招き頂き、共に歯科医師会で活動した先生方と親しく懐かしい思い出話をさせて頂きました。その機会をきっかけに、1982年の入会からの地元歯科医師会との関わりを振り返ってみました。

私の入会後、最初に関わらせて頂いたのは、公衆衛生委員会でした。今は亡き田中峯生先生が中心の委員会で、面倒見の良いお人柄の田中先生を中心に和気あいあいで熱心な委員会活動だった記憶があります。現在のような歯科医過剰時代とは逆に、歯科医師不足が問題になっていた(現在の若い会員の方々には、想像しにくいかもしれませんが)時代で口腔衛生知識の普及に本気で取り組んでいました。ただ、当時の手法としては、一般受けするタレントなどで客寄せする企画が中心で、今から考えると、やはり『昭和』の時代の色濃さを懐かしく思い出します。その後、広報委員会に移りました。今回の特別会員懇親会で久しぶりにお会いした緒方先生を中心にした委員会でした。1990年代に入ってMacintoshが注目を浴び始めた時代で、私はパソコンを使って自力で編集してしまうというDTPシステムに興味を持ち、保守派の先生方のもっともな反対を押し切ってDTP化に踏み切りました。幸い、30年後の現在も小林先生がしっかり継続して頂き私の強引な取り組みが実りを持ち続けている事は大変嬉しい事です。

その頃から、私は、県歯の調査室委員会にも出務する事になり、阪神大震災の直後の1997年から、担当理事を務めさせて頂きました。<これからは情報化時代に突入する>という趣旨で、『情報調査室』と改称させて頂いた委員会で、担当理事、室長として、もっぱら県歯の情報システム構築に取り組みました。時代はまさにインターネットの劇的な普及が始まった頃であり、公的組織としてホームページによる情報発信は不可欠であると考え、県歯のホームページの構築に取り組みました。(個人的には、これに先立つ1996年、おそらく兵庫県下の歯科医院として初の医院ホームページを htmlで自作して公開しました。振り返れば、今やネット界の巨大企業となったGoogle社 が誕生する1、2年前のことでした。)さらに、この委員会での連絡システムとして当初私の自宅書斎に置いた実験的サーバーからスタートしたネット会議室システム( FirstClass )も、20年の時を経て、現在、県歯会員の約2500名が登録利用する情報交流システムに育っている事には、深い感慨を覚えます。

 さて、近況ですが、現在ちょうど私の30年後輩として同じ大学の歯学部を卒業した息子に診療実務を任せ、総合的管理と会計税務のみの立場となり時間的、精神的に余裕が出来た事もあり、昨春、思い立って兵庫県立大学大学院会計研究科に入学いたしました。医院会計は開業以来一貫してPCを使って自力決算を続けてきました。その経験から会計学に興味を持ち、その分野を学び直してみたいと思い立ったのです。私は歯学部入学の前に阪大外国語学部の英語学科を卒業していましたので、今回が3度目のキャンパス・ライフになります。大学院の同級生たちは、ちょうど阪神大震災の年に生まれた50歳近く年下の若者であり、彼らと机を並べ、会計・財務・経営・税務等の新しい分野の研究に取り組んでいます。ちょうど3年前、垂水郊外の戸建てから利便性の高い三宮のタワーマンションに居を移していましたので、毎朝、学園都市にあるキャンパスまで通学するのは程よい運動になります。この専門大学院の性格から教授陣の約半数が会計士、税理士、弁護士、企業幹部経験者などの実務経験者であり、その講義は現実的で興味深いところが多くあります。

 3月上旬、最終の成績表が交付され、卒業に必要な50単位の取得と卒業が無事確定しました。振り返れば、入学以来の2年間、毎週のレポートやプレゼン資料作りや小テストの準備が続き、各期の期末には期末考査で奮闘して来ました。クラスの若い仲間たちと情報交換しながら、試験対策に集中し、奮闘し終わった後の解放感もまた格別です。こういう<緊張と緩和>というリズムも人生の一つの充実かなぁと思います。

 もちろん、同じ教授陣の講義やゼミ演習に参加する中で情報交換し、各自に机が与えられている研究室で雑談に興じている中で、やはり「同じ釜の飯を食う」仲間意識も生まれ、BBQをしたり鍋パーティーをしたり、ゴルフや小旅行をしたりという楽しみも出来ます。最近では私のマンションにある全自動卓のゲーム室に集まって麻雀を楽しむ例会も続いています。これから実社会に入って行く彼らに対して、いささかの紆余曲折の(?)人生経験者として相談に乗ったり、アドバイスをしたり、という事もあります。今、経営・会計・税務などの新しい分野の知識を学びつつ、歯科界の中での40年の経験を改めて振り返ると、これまでとは違った角度から見えてくる事も多く、感慨を覚える事もあります。

 この2年間でのキャンパスライフの楽しさにすっかり味をしめ、先月さらに県立大大学院の経済学研究科の博士課程を受験し、合格通知を頂きました。さらに2年プラス3年の研究生活を続ける予定です。

会員の皆様の中で会計・税務等の問題でのお悩みがあれば、若輩(?)の私では、お役には立てないと思いますが、多くの専門家とのご縁はありますので、ご紹介程度ならお役に立てるかもしれません。

Oxford 大学の交流学生と奈良への小旅行

なお現在の大学院生活での挑戦を中心にした報告を『シニア院長のブログ』としてまとめております。ご興味を持って頂ける向きには、また暇つぶしにでもご笑覧頂ければ幸いです。
( http://www.matsuga.net/senior_blog/  又は 「シニア院長」で検索頂ければ、閲覧頂けます。) 

兵庫県立大学本部棟

 末筆ながら、会員の皆様のご健勝をお祈りして、拙文の筆を措かせて頂きます。

投稿者:

matsuga_senior

《松賀正考》大阪大学外国語学部英語学科、歯学部卒業。明石市で松賀歯科開業。現シニア院長。 兵庫県立大学大学院会計研究科を卒業し会計専門修士。さらに同大大学院経済学研究科修士課程を卒業。その修士論文で国際公共経済学会の優秀論文賞を受賞。現在、博士課程在学中。