新年のニュージーランドで派手に転倒してしまいました。
今回の年末年始の語学研修・ホームステイ=ツアーも最終となった朝でした。年末の「異国でのゴルフコース=デビュー」の2日間で疲労困憊した年明け、元日・2日とホームステイ先の部屋のベッドで眠りこけました。スマホに付いている歩行記録計は、何と「3歩」しか記録されていませんでした。
その翌日の3日の事です。ツアー最終日の英語研修に出るため、寝ぼけ眼で早朝、バス停に向かいました。ところが、この当地でのバスとの相性が悪く、それまで次々にハプニングの連続でした。
まず、初っ端は初めてのバス通学の帰途でした。到着後2日間、ホストファミリーの車での移動だったので、その日初めてバスで帰宅する事になりました。指定のバス停はすぐ分かり、待っていましたが、30分以上経っても指定のバスは現れません。おまけに、携帯が電池切れ!携帯の修理店に飛び込んで、ホストファミリーにSOS。「バス停が違うのでは?」と言われ、修理店の外を見ていると、何と指定のバスがっ!!方向が反対だったのです。お店にお礼のチップを無理矢理置いて、反対側に飛び出しました。鳴り響く車のクラクション!!危うく地元紙に「日本のシニア学生、飛び出して自動車と衝突!」と書かれて大騒ぎになるところでした。
次は、このツアー最大の野望「異国でのゴルフコース=デビュー」の帰り道でした。どうにか宿願を果たし疲労困憊の後でした。最後に落とし穴が待ってました。もうバス移動には慣れたつもりだったのに、帰り道の降りるバス停を間違えて、しかも又携帯のバッテリー切れで、危うく「迷える小太りの羊🐏」になるところだったのです。
その次の日も、ゴルフ場に行くのに、バス停の前に居たのに時刻表をのぞきこんでたらバスが通過しちゃいました。それで20分待ちです。しかも、ゴルフ場前で降りる時も降車ボタンを押したのに行き過ぎて、運ちゃんに文句言ったら「気づかなかった、ゴメンね」です。それで、ゴルフ前に1ホール位歩きました。さらにダメを押すかのように、このゴルフの帰りのバスは、約20分間隔の2便が連続で姿を現さず、バス停で1時間待ちぼうけを喰らいました。
そんな数々の悪夢の記憶があったのですが、その朝、ホームステイ先からバス道への坂道を下る時、バス停にバスが近づいているのが見えました。これは、気を利かせて待ってくれることなど期待できない、と思って砂利混じりのアスファルトの坂道を駆け出しました。その時履いていたのはゴルフシューズでした。ゴルフデビューの日、初めて履いたゴルフシューズの履き心地がとても良くて、気に入りました。まさに歩くために作られた靴だけに言う事無いなぁと喜んでいたのです。ところが、ゴルフシューズの特長は歩きやすさだけではありません。芝や砂地の上でクラブを振る際、滑らないように強いグリップ力があります。そんな靴でアスファルトの急な坂道を駆け下りたものですから、あっと思う間もなく靴が地面に引っかかったと思うと、全身が宙を舞っており、そのまま地面に叩きつけられました。
新年早々の災難だったのですが、不幸中の幸いとも言えるツキがいくつもありました。私のホームステイ先ファミリーの1人は私の英語研修先の学校のスタッフでした。この日、勤務の都合で私より一足早くバス停に向かったのですが、予定のバスに乗り遅れ、そのバス停に未だ居たのです。そこに次のバスが着いたのですが、その運転手が私の大転倒に気づいたのです。それまでの数々のトラブルで不親切なマイナスイメージしか無かったこの路線バスの運転手でしたが、この時の運転手さんは彼女に「あそこで誰か転んでるよ」と伝えたそうです。彼女はすぐにそれが私である事に気づいて駆けつけてくれ、私を家まで連れて帰り、擦り傷だらけの私の手足を消毒するなどの応急処置をしてくれました。(Thank you, Evelyne ! )その日は、さすがに授業は休んで家で休憩することにしました。彼女が出勤した後1時間ほどして私は、目の周りに強い圧迫感を感じ、不審に思って鏡を見ました。そして左目の周りが派手に腫れ上がっているのに気がついたのです。これはヤバいと、学校にいる彼女に電話しました。彼女からは、すぐに医者の手配をするので、学校まで来るように言われ、私は直ちに都心にある学校に向かいました。学校に着いた頃、私の左目の周辺は、内出血で赤黒く晴れ上がり、痛々しいパンダ状態になっていたようです。既に学校から徒歩圏のクリニックに連絡が取られており、そちらに向かいました。このクリニックはアポイント制ではなく、来院順での診察でした。年始でもあり、かなりの待ち時間を覚悟しましたが、30分も経たないうちに順番を呼ばれました。
颯爽と現れた美人女医さんは、私にいくつかの質問を投げかけ、状況を理解した後、手際よく負傷箇所をチェックし、破傷風対策として予防注射をすること(Tetanus という聞き慣れない言葉が出てきましたが、状況から、おそらく破傷風だろうと推理しました。後でスマホで調べて確認できました)、看護師さんによるキズの手当をすること、目に関してはアイシングして時間を待つしか無いこと、等を告げました。
この後、看護婦さんにより傷の手当てがテキパキ行われ、全部で1時間程度で診察は終わりました。料金は、シメて50NZドル、約4,000円でした。アメリカなど海外での医療費がべらぼうに高額であることを聞いていたので、身構えていましたが、意外に安いものでした。日本の3割負担でもそれ位はするでしょう。もちろん、出発前に海外旅行保険に加入していたので、医療費がいくらかかろうと、全額保険でカバーされるので心配は要りません。やはり、いざという時の備えは欠かせないなぁ、と実感しました。(なお、この保険適用について、受付嬢とちょっとした行き違いがあり、イライラしました。機会があれば、後述します。)
いずれにしてもニュージーランドの医療事情に関しては、よく整備されており、法外な費用もかからず、安心できるものであることが分かりました。
以上、新年早々の海外旅行先での突発的傷害事故報告でした。もちろん、望ましからぬ不幸な偶発事件でしたが、にもかかわらず、ラッキーな要因は色々重なっていました。まずは、この大転倒が骨折や目へのダメージが無かった事を古来より我が日本🇯🇵の民を守護されているに違いない「八百万(やおよろず)の神々」に感謝しなけれなりません。もし、そんな重大事故になっていれば、私は日本ではなく、彼の地の病院に滞在することになっていたでしょう。さらに幸いだったのは、このアクシデントがツアーの最終日であり、直ぐに帰国の途につけたこと、ツアー全般の計画にはほどんど影響が無かったことでしょうか。ツアーの始めの段階でこのハプニングがあれば、中途帰国するわけにもいかず、しかしツアー全体はずたずたになり、何も楽しめず2週間分の時間と費用はほとんど無駄になっていたでしょう。ましてや、ゴルフ=コース・デビューの大挑戦など、夢のまた夢だったと思います。トータルに見て、このツアーでの色々な試みはやり終えたし、挑戦も果たせた、という点には満足したいと思います。その他、細かなツアーこぼれ話はまた稿を改めたいと思います。