そう言えば、ブログにするのをすっかり忘れていた!秋晴れの都心の街を歩いていて、ふと気がつきました。
先月は、本当に懐かしい再会の機会が二つもあったのでした。その準備と事後の交流が余りに充実していて、投稿記事にまとめることすら失念していたようです。
きっかけは、10年以上前に、診療所スタッフ用の保養施設として準備していながら、ほとんど使っていなかった有馬温泉のリゾートルームをリニューアルしたことでした。
それを機に声を掛けてみると、すぐに二つの企画がまとまりました。
10月中旬、私が歯学部卒業直後に勤務した某国立大学の医局時代の仲間4人が有馬に集まってくれました。1979年以来、実に40年ぶりの懐かしい再会でした。事前の準備打ち合わせの中で発掘してきた当時の大学勤務時代の写真は全員未だ20代後半、それなりの若さの爽やかさ、初々しさが見えます。この時、この大学に歯学部が新設され、まさにその立ち上がりの騒動のど真ん中で右往左往した仲間たちでした。試験や実習が連続した大学生活、緊張した国家試験をどうにかやり過ごした直後の解放感を共有し、新学部開設準備中の混乱期に有り余る時間を、遊び呆けて、大学上層部から睨まれていたグループでした。若気の至りで、上層部に反発して集団脱走しかねないヤンチャなグループでした。毎日がコンパ状態の日々だった1979年以来ですから、40年ぶりの懐かしい再会に、夜ふけまで積もる話は尽きませんでした。
もう一つの再会も懐かしいものでした。開業歯科医の第一線を離れ、全く畑違いの世界で日々を過ごしていて、振り返ると、開業したばかりの診療所創業期、力を合わせて支えていただいたスタッフの皆さんの顔が思い浮かびました。その尽力無しでは、我が診療所の船出はありえなかったし、その後の発展と安定は無かったと思います。引いては、現在の私の充実した日々もありえなかったわけです。そう思うと、浮かんで来る懐かしいお顔の皆さんと是非再会し、改めてお礼と感謝の思いを伝えたいと思い立ちました。今も診療所と連携してお仕事をしてもらっている技工士の山口君を通して、声掛けをしてもらうと、皆さんから歓迎の言葉を頂き、有馬の紅葉の季節が始まる10月末に集まって頂くことになりました。
優しく人懐っこい人柄で患者さん方のアイドルだった元受付さんは、可愛らしいいまま、成熟した大人の女性になっておられました。真面目さの塊のように着実に仕事をこなしていただいていた元助手スタッフは、沢山のお孫さんに囲まれた大家族の肝っ玉母さんになっておられました。
思わぬ副産物もありました。この企画の準備と連絡に、新しいSNSが大活躍したのです。以前の投稿でも長々と書いているように(『小動物の群れが倒した日(4)』)、私はインターネットが生まれた直後の時代から、この革新的新技術と付き合って来た長い個人的歴史があります。そして、その組織的活用に最も適していると確信したネット交流システム(FirstClass)に惚れ込み、20年以上、このシステムの歯科界への普及に熱中してきました。幸い、このシステムは、県内の歯科医師会の中にしっかり定着し、現在、県下の歯科医師の2人に1人が登録活用する大システムに成長しています。
しかし、そんなシステムの普及の旗振り役を自任していた立場から、比較的最近まで、私は一般社会で爆発的に普及してきた各種の新しいSNSには目が向かず、ネット世界そのものとは深い付き合いがあったにもかかわらず、LINEやFacebook 、Instagram等、今花盛りの新しいSNSシステムには完全に乗り遅れていました。
ところが、今回の懐かしい仲間たちとの連絡は組織的なものではありませんから、私が惚れ込んで来たFirstClassは使えません。一方、メンバーの中に、新しいSNSを日常使いこなし、これを積極的に楽しんでいる方がいました。このメンバーの優しいお誘いで、使い始めると、その便利さにたちまち夢中になりました。殊に便利だったのが、LINEで、FirstClassがやや苦手としている画像、特に動画をきわめて簡単にやり取りできることに驚きました。また、効果的な絵文字や、豊富な画像でコミュニケーションを豊かに彩ってくれるスタンプなどの楽しさに一時、ハマってしまいました。(今回のブログ更新が遅れたのは、きっとそのせいでしょう。)
今春からキャンパスライフを再開した大学院のクラスメイトとの連絡、交流も基本的にLINEでしたが、今回のOBスタッフとの楽しい交流を通じて、このLINEも本格的に使えるようになった気がします。未だに優秀な元スタッフにアシストをしてもらうヘボなシニア院長です。
それにしても、新しい知識や技術を得る機会というのはどこにでもあるなぁ、と実感します。今回の企画がそういうきっかけを作ってくれたことにも感謝です。
皆んなで訪れた紅葉の名所、瑞宝寺公園では、木の葉が一斉に色づき始め、秋の到来を告げているようでした。『春華秋実』と言います。人生の秋を、彩り豊かに充実させ、後悔の無いように楽しみたいものだと思います。