<現役時代の旧ホームページからの移植です>(2007.3.28分)
ドイツ、デュッセルドルフでの学会参加と認定医試験の後、折角、 はるばるやって来たドイツでもう少し足を伸ばしてみようということで 数人の先生方と共にハンブルグを訪れることにしました。
その名前だけはよく耳にするものの、具体的にどんな街なのかあまり 予備知識も無く出かけましたが、着いてみると、さすがベルリンに次ぐドイツ第二の 都市らしい歴史と伝統の感じられる落ち着いた雰囲気の街並みでした。
有名な市庁舎など、近くから見上げてもカメラに収まらない重厚な 建築は圧巻でもありました。
ただ折角の機会ですから、観光だけではなく、ドイツの歯科医療の現状を少しでも 覗きたいと考えていたのですが、ドイツの歯科技工のマイスター資格を取り、現地で デンタル=ラボを開業している意欲的な日本人技工士さんがおられると 聞きつけ、事前にこの大川氏のラボを訪問させてもらう約束を取り付けておりました。
日本では、歯科技工士さんのお仕事はあまり目立たず、言わば縁の下の力持ち的 存在になっている傾向が強いのですが、考えていただければ分かるように、我々 歯科医師は患者さんのお口の中で直接の仕事をするのに対し、その模型上でセラミック など最終的に患者さんのお口の中に入る製作物を作る仕事をするのが歯科技工士さんで その技術レベルはトータルな治療の中で大きなウェイトを占めます。
ドイツでも有数の歯科技工のマイスターとして活躍しておられる大川氏のラボの 様子がどんなものなのか興味津々で訪問いたしました。
訪ねてみると、このラボはハンブルグでも有名なアルスター湖という湖を望む高級 住宅街の一角を占める建物の中にあり、まるで精密機器の製作作業場のような整然と した裕りある環境に驚かされました。 このラボでは、ヨーロッパ各国からの依頼を受けて、インプラントや各種のセラミック 技工をこなしているとのことで、高い技術水準が窺えました。
院長は早速、大川氏と交渉し、当院の専門提携ラボとして長年の協力関係にある山口 デンタルラボの山口技工士の訪独と研修を依頼しました。帰国後、この話は順調に進行し、 来月、山口技工士の訪独が実現する予定です。
ラボ訪問の後、一行は同ラボで研修中の若手技工士の西村氏の案内で、2階建て バスで市内巡りをし、古くからヨーロッパ有数の港町として繁栄してきたハンブルグ の名所を訪れ、ウオーターフロントのレストランで名物料理を楽しみました。
そうそう、大川ラボからアルスター湖畔の小径を通って、船上のレストランでのランチに 向かう途中、面白い光景に出くわしました。散歩のお伴に連れて来られた子犬なのですが、 <任務遂行のためには、水をも恐れぬ>訓練の真っ最中で、さすがドイツ犬の雄姿(!?) に驚くとともに心和む気分でした。